『不妊治療』と言ってもさまざまな治療方法があります。一般的に病院に行って最初に受けるのはタイミング指導。
そこからひとつひとつ高度な治療にステップアップしていくのか、わたしのように高齢であったりすれば時間のロスを避けるため省略すべきステップもあります。
簡単にそれぞれのステップの方法や成功率などを見てみましょう。
タイミング療法(タイミング指導)
ホルモン値や基礎体温などの情報から排卵のタイミングを病院で予想してもらって、それに従って自然妊娠を狙うというものです。
予測した排卵日の2日前~1日後程度の3日間にタイミングを取るように指導されるのですが、それは卵子が排卵され卵管に取り込まれた時に卵管の中に精子が多くある状態にしておくためです。
射精後の精子の寿命が平均2~3日という時間を逆算して判断されます。
ただ、3日連続って・・・若いご夫婦ならなんてことはないのだと思いますが、結婚後数年たった熟年夫婦には結構ハードな課題です。。
人工授精(AIH)
人工授精とは、採取した精液を遠心分離器などで精製し、洗浄し、元気な精子をチューブ状の注入器で子宮内に注入する方法です。
以前は採取した精子をそのまま子宮に注入されていたそうですが、精液には雑菌が多く混じっており浄化作用のない子宮内に雑菌が入ることをふせぐため、現在は洗浄が行われてから注入されるそうです。
通常過程だと酸性の膣内にて殺菌されてから子宮内に到達します。膣の役割を再認識です!
人工授精は、自然妊娠の過程の中の「性交、射精、精子が頸管粘液の中を通過し子宮卵管口まで到達する」という部分が省略されますので、 精子の数が少ない、精子の運動性が低い、頸管粘液の量が充分ではない、性交障害やセックスレスなどの問題がある場合などに有効です。
一般的に、タイミング指導を8か月~1年(わたしは高齢のため2か月とされました)受けても妊娠しない場合の、次の段階の治療として選ばれます。
人工授精の1回あたりの妊娠率は約7%ですが、5回~8回トライした場合の累積妊娠率は25%程度になります。これは回数を増やせば増えていくものではなく、その後の累積妊娠率は頭打ちになってしまうんだそうです。
不妊の原因が人工授精で回避できる問題ではない可能性もありますので、ここであまり時間を使ってしまうのは女性側が高齢の場合問題になります。
体外受精(IVF)
次のステップは体外受精(IVF)になります。体外受精では、「卵胞が成熟するところから、受精した卵が子宮に入るまで」の長い過程が省略されますので、卵管が閉塞している、子宮内膜症がある、卵胞が破裂しないために排卵ができない、卵管采がうまく卵子を捕らえられない(←これをKLC加藤レディスクリニック(KLC)の説明会で初めて知った)、などが不妊の原因だった場合に有効です。
体外受精の1回あたりの妊娠率は35歳程度で25%程度と、タイミング指導や人工授精などと比べてかなり高くなりますが、こちらも何回かすると累積妊娠率が頭打ちになります。
この確率は当然、高齢になるほど低くなっていきます。わたしは当時41歳で確率16%程度だったのですが、その時に調べた情報では、100%÷16%=6.25回、つまり6回が頭打ちの目安、というのを見て、まずとりあえず6回まで頑張ってみようとなんとなく心の中で目標にしてみました。
少しでも早く始める、そして回数を決めて臨もう
不妊治療はとにかく少しでも早く開始すること、年齢によってはタイミング療法や人工授精などスキップすることも選択として大いにアリです。わたしのようにスキップに抵抗があって、とりあえずひとつひとつステップアップしたい場合は先生のアドバイスも受けながら、それぞれの治療を何回まで、と最初から決めておいて、その回数に至らなくてもなかなか結果が出ない場合はなるべく早めに見切りをつけて体外受精にステップアップすることをお勧めします。
不妊治療はエンドレスの、そして時間との戦いです。可能性がゼロになればあきらめもつくかもしれませんが、卵子が採取できる限り可能性はゼロとはならないため治療の終わりの時期は自分で決めないといけないんです。そこを決められずにズルズルいくと経済的な問題もそうですし、精神的にも辛くなってきます。
なので体外受精も最初にある程度「体外受精は何回まで!」と目安を決めておくといいかもしれません。
(まぁそうはいっても、目安だった回数が過ぎても、次やったらもしかして・・・と思えてしまい、そう簡単にあきらめられるものではないのですが。。)
さて、その体外受精ですが、その中にもまたいろいろな治療法と選択肢、ステップアップがあるんです。次の記事でその数々の治療法について書いてみようと思います。
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