加藤レディスクリニック(KLC)の説明会で印象に残った内容を以前別の記事で書きましたが、一点、子宮外妊娠のことについて話があったことを思い出しましたのでご紹介したいと思います。
加藤レディスクリニックの説明会内容の記事はこちら↓
まず子宮外妊娠とは?
正式には「異所性妊娠」と呼ばれますが、本来、子宮内膜に着床するはずの受精卵が何らかの理由で子宮内膜以外の場所に着床してしまった状態のことをいいます。
子宮外妊娠のうち90%以上が卵管で発生しているそう。本来、卵子は卵巣から排卵し、卵管采にピックアップされ卵管の中で精子と出会い、受精し、卵管の中を分割しながら卵管の内側の絨毛によりころころ転がされて最終的に子宮へたどりつきます。しかし、子宮内へたどりつく前に、卵管が癒着していたりとかの理由で卵管に(その他10%は腹膜や卵巣、子宮頸管など)着床してしまうと、子宮外妊娠となってしまうのです。
子宮以外の場所に着床してしまったら、そこでは赤ちゃんを育てることはできないため、せっかく着床してくれたのですが一刻も早くその場所から取り除く処置を受けなければなりません。
場所は違っても一応着床なので体は妊娠したとみなしてホルモン値が妊娠と同様に上昇するらしく、妊娠検査薬でも陽性反応が出るんだそうです。妊娠検査薬で大喜びして病院にいったら子宮外妊娠だったなんて想像するだけで悲しすぎます。。わたしだったらやっとのことで着床してくれてそこで赤ちゃんが育ち始めてくれているとなったらすぐにお別れなどできるわけないと思うのですが、着床した受精卵の成長スピードは驚くほど早いので、細い卵管内に着床してしまったら卵管が破裂するなど命に係わる事態となってしまうため、一刻も早く処置を受けなければなりません。妊娠検査薬で陽性反応が出たらまず大喜びする気持ちを抑えて子宮外妊娠ではないことを確認するためにもすぐに病院にいかなければならないのですね。
え?ちょっとまって、卵巣に着床って?
ちょっと話はそれますが子宮外妊娠で卵巣に着床って一体どういうことなんでしょうね?
KLCの説明会で教わってわたしは初めて知ったのですが、卵管と卵巣はつながっていないんです。排卵のタイミングで卵管の先の卵管采といわれるワカメの先端のようなひらひらとした部分が卵巣の周りで手招きするように卵巣から飛び出してきた卵子を受け止めて卵管に取り入れられるのだそう。
となると、精子が卵管采からジャンプして卵巣まで飛び移ったか、一度卵管采に受け止められた卵子が卵管で受精して、またUターンして卵管采に戻り、そこからジャンプして卵巣に飛び移ったか。または卵管采が卵巣に触れたときに卵管采を渡って卵巣に戻っていったか。いやーとても考えられないです。って今回書きたいのはそういうことではないので話を戻します。
体外受精で子宮外妊娠?
そもそも体外受精では卵巣から卵子を採卵し、そのあとは体外で受精させた受精卵を培養して、「子宮に」戻されます。つまり卵管の中の移動がスキップされるはずなのに、なぜか体外受精の場合でも卵管などへの子宮外妊娠は起こるのだそうです。いったいなぜなのでしょうか?
わたしが2012年に参加したKLCの説明会の際に竹原先生よりあったお話を思い出したのでここで以前のKLC説明会の記事の追加として書きたいと思います。
胚盤胞は着床の直前の状態まで分割が進んでいるので、子宮に移植されたあとは(子宮内膜におかれたあとは)、受精卵の周りの殻をやぶって出てきた中の胚が子宮内膜に根を張って着床してくれるのを待つだけなのですが、分割胚(初期胚)の場合は、2分割~8分割のころに移植されますので、着床直前の胚盤胞の状態になるまで2~4日間程度の時間があります。
この間、移植された子宮の中で分割しながら時を待つのかと以前は思われていたのですが、卵管での子宮外妊娠が起こることを考えると、それも1回や2回と珍しいことではないのだそうで、となると、どうやら胚盤胞になるまでの分割中の受精卵は、子宮に移植されたあと自ら卵管へ移動するのではないか?と考えられるようになったとのこと。
つまり分割中の受精卵にとって、卵管内という場所の環境が成長するためには必要不可欠で、そうだとすると本来あるべき姿に近い方法として、やっぱり分割胚(初期胚)で子宮に戻してあげて、卵管へ戻って卵管の中で分割して胚盤胞になってもらうのが一番いいのかなということで、まずは分割胚(初期胚)の移植を最初にお勧めしているんだ、というようなことを確かおっしゃっていました。
でも、そうだとしたらすごくないですかあ!?
受精卵のこの時点でもう命のエネルギーを持っているとは言え、まだ細胞レベルの状態なのに、まるで意思を持っているかのように本来いるべき環境の場所へ自ら移動していくなんて!
こんにちは、初めてコメントします。
ずっと謎に思っていたことがとてもわかりやすく説明してありました!
有難うございました(*^^*)
ゆかごろおさま
コメントありがとうございます!
なにかひとつでもお役に立てたとしたら
とても嬉しいです!