朝、子供を送り出したあとのほっと一息つく時間、AM8:55~9:00の「みんなのうた」で最近よく流れていた「願いごとの持ち腐れ」。亡き母へのわたしの態度、母に叶えてあげられなかったことが次々と思い起こされ朝から激しく号泣してしまいます。
AKB48だったんだ!
最初知った時、NHKの「みんなのうた」にアイドルの歌が起用されることあるんだ~!と意外に思いました。なんとなくNHKといえば教科書のようなイメージで、採用される歌もそもそも「みんなのうた」用に作られた歌たちなのかとも思っていたのです。
この歌、曲調と歌詞とアニメーションがそれぞれすこし寂しい雰囲気が感じられるイメージで、胸に強く訴えるものがあります。
AKB48の子たちといえばもう、わたしの娘といってもおかしくない年代ですし、誰かのファンとして追っかけをするとか、曲を覚えてカラオケで歌うなどの対象としてはいなかったのですが、先日亡くなった小林麻央さんのブログで「紙飛行機」という歌の歌詞が紹介されているのを見て、まずそこで胸をうたれました。
闘病中、思うようにやりたいことができない日々のなかで小さな夢を抱く、、自分がもうひとりいたらいいのに、そしたらやりたいことが自由にできるのに、、。
健康なときには忘れがちな、やりたいことが自由にできることがどれだけステキで幸せなことなのかを気づかされました。
当時乳がんの闘病中だった小林麻央さんの願いを代弁したような歌詞だったのだと思います。それにつづき今回の「願いごとの持ち腐れ」。
亡き母の思いに重なる「みんなのうた~願いごとの持ち腐れ~」のアニメーション
アダチマサヒコさんという方によるこの歌に合わせられたアニメーションでは、仲の良い母親と娘が雨の中、ゴミ捨て場に置かれたびしょぬれのウサギのぬいぐるみを見つけて持ち帰るところから始まります。
濡れて汚れたうさぎを家できれいに洗ってあげたのでしょう、乾いたあと、うさぎの目であるボタンが片方取れているのを母親がありもののボタンで目をつけてくれます。
ぬいぐるみを、買うのではなく拾ってきて大切にする、同じようなボタンがなくてやむを得ずまったく違う色と大きさのボタンをつけるところなどから見て、この母娘の家はあまり裕福ではなく、父親が出てこないことからも母子家庭でふたりで暮らしているという設定のように見て取れます。
そしてその仲良しの母娘が大切にする拾ったうさぎのぬいぐるみが歌詞の中の「僕」になります。
娘の成長するシーンにはずっとうさぎのぬいぐるみが一緒にいます。幼稚園バッグ、ランドセル、学生カバンにもつけてもらって学校にもついていって。
高校からの帰り道、自転車を押して歩く娘の姿を背後からパシャッとカメラで母親が撮影します。ここまで自分一人の手で育てた成長した娘の姿を誇らしく思う気持ちからなのかな。
左右の目の色と大きさが違ううさぎのぬいぐるみはこうしてずっと何年もふたりの仲良い母娘の姿をみてきました。
ところが娘が高校を卒業後、成人した頃の年頃でしょうか、ある日娘が母親にきつい目を向け激しく言葉をぶつけ怒りを示し、母親の手を振りほどいて荷物をまとめて家を出て行ってしまうシーンがあります。このきつい目、態度、言葉をぶつける様子などがかつてのわたしの母親に対しての態度と大きく重なり胸が痛くなります。これが歌詞の中の2番の最初、「ある日些細なことから争ってる2人がいた」の場面のようです。
娘が家を出て行ってしまったあと、残された母親はうなだれ、ソファーに残されたうさぎのぬいぐるみを、まるで小さなころの娘の髪をなでるかのようになでながらうさぎの顔の上に涙を落とします。そのひとつぶの涙がウサギの目のボタンをつたったとき、
うさぎは、自分に与えられたたったひとつのチャンスである魔法を、母娘ふたりのために使うのです。
魔法の力で娘は母親のもとに戻ってきます。
旦那さんと思われるパートナーと、そして赤ちゃんを連れて。
母は娘に抱きつきます。赤ちゃんができたとわかって生まれるまではおよそ9ヶ月程度ありますので、少なくとも9ヶ月以上は母親はひとりで過ごしていたと思われます。もしかしたら数年経っているのかもしれません、帰ってきた娘に抱きつく瞬間までに母親の悲しい思いはどれだけ募っていたことでしょう。
この娘は孫を母親に会わせることができたんですね。なによりの親孝行、わたしが母に叶えてあげられらなかったことです。
そして最後は、娘が連れてきた赤ちゃん(孫)に寄り添って寝ころぶの母親との間にそのうさぎのぬいぐるみがいます。
うさぎのお腹の上に赤ちゃん(孫)の手と母親の手、そのふたりの手は指先が少し重なっていて、きっとこれからはこのうさぎは、この赤ちゃんの成長に寄り添っていくことでしょう。
あの雨の日にゴミ捨て場に捨てられていたうさぎ、拾ってもらえなかったらそのまま焼却場で燃やされていたことでしょう。それをここまで大切に可愛がってもらった恩返しに、自分に与えられた一度きりの魔法を使って母娘の家族をひとつに結びつけたというお話。
わたしにとっては激しく涙を誘う箇所がふんだんに盛り込まれていてもう涙なしでは観ていられません。思い切り涙を流したいときはこれを観るに限るといった感じです。
ちなみに「みんなのうた」では原文の一部が割愛されているようです。尺の問題で省かれたのかもしれませんが、でももしその一部があったらちょっとこの素朴なうさぎの願いごとのお話とはイメージが違ってくるようにも思います。
もしかしたら作詞家の秋元康さんはこの「みんなのうた」で合わせられたアニメーションの内容とは少し違ったイメージで書かれた歌詞なのかもしれません。ここがあるとちょっとうさぎのいる世界より規模が大きくて、AKB48の女の子たちの姿とともに聞くと、「みんな人のために願える人間になろう!そしたらみんな幸せになれるよ!」というようなAKB48らしい明るいメッセージソングという感じに聞こえてきます。
でもわたしはこの一部分がない、「みんなのうた」のアニメーションを合わせられた「願いごとの持ち腐れ」が胸にしみるんです。
はぁ~。。みかえして改めて、、
今日も朝からひと大泣きして、プールで泳いできたかのように頭がすっきりしました!
さて。今日は洋服の断捨離でもするかな!
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