前の記事で書いた「なぜ子供が欲しいのか、子供がいると幸せなのか、子供がいないまま諦めたら後悔するのか」という疑問のほかにも、実は前に進めない大きな理由があったんです。
前に進むのが怖かった一番大きな本当の理由
実は、なお一歩前に踏み出すことができずにいた一番大きな理由は、前の前の記事でもちらっと書いたのですが、やっぱり高齢ともなるとどうしてもあちこちから耳に入ってきてしまう高齢妊娠&高齢出産のリスクであるダウン症や障がいを持った子供が産まれてきてしまったら・・・ということだったんです。
こんな言い方を不愉快に感じられる方もいるかもしれません、でも正直な気持ちとしてはそこが一番大きかったんです。
障がいを持ったお子さんがテレビに映ったとき義理の父が言いました。
「うちはこういう子が産まれなくてよかったなー」
そこが怖くて前に進めないでいるわたしの目の前で、胸に突き刺さる言葉でした。
わたしがもし障がいを持った子を産んだら、、義父はわたしの子を避けるのだろうか。ほかの孫たちみたいに可愛がってくれないのだろうか。世間から隠すのだろうか。
出生前診断ってやった?
不安な点をいろいろ聞いてみたくてもうすぐ出産を控えた妊婦の親戚に聞いてみました。
「出生前診断ってやった?障がいを持った子が産まれてきたらどうしようとか考えたことある?」
とストレートに聞いてみると、
「やってないよ。やってもどうこうするわけではないし、だったら知る必要ないかなって。お医者様に言われたらやろうかなって思ってたけど、実際やりますか?って聞かれたとき、必要ですか?って聞き返したら、お母さんが必要だと思わなければ必要ではありませんよって言われたからやらなかったよ。正直不安はあったけど、そんなことを心配してたら子供なんて産めないよね。」
すごいな、強い。。
「そんなことを心配してたら子供なんて産めない。」
それはつまり、
「そんなことを心配してるようじゃ子供なんて望む資格ない。」
ってことだと思いました。
彼女もわたしと同じ年代なので充分高齢です。リスクや不安要素は充分耳に入っているはずです。なのにビクビクのわたしとは大違い。さすが母は強し、お腹にいる時点でもう母親なんだな。
でもだからわたしは迷っているんだろうな、そういった覚悟もできていなくて本当に欲しいのかもはっきりしない、つまり子供を望む資格がないって状態。欲しいかどうかも気持ちがはっきりしていないママと、両手を広げて待っていてくれるママがいたら絶対どの赤ちゃんも後者のママのところに行っちゃうに決まってるもんな。
高齢ママさんたちはみんなこの不安をしっかり乗り越えて、ちゃんと覚悟を決めてから妊活をされているんだろうか。だとしたらすごいなぁ。自然妊娠だったらこんなことごちゃごちゃ考える前に妊娠できて、妊娠したからにはやるっきゃないって感じなのかな。
妊娠したら考え変わる?
別の友達にも聞いてみました。彼女も当時妊娠中。年齢はわたしの6つ下くらいだからわたしからしたら全然若いのですが、世間的にはまぁ高齢ゾーンには入ってきています。でもすっごくサバサバした性格で常にあらゆるジャンルの情報通で考え方も斬新なのでいつも何かの時には意見をもらって参考にさせてもらっているのですが、さすが彼女、一味違うお返事がきました。
「出生前診断、やるならNIPT(新型出生前診断)のつもりだったけど、うちの病院じゃやってなくて、どうしよっかなーと思ってるうちにやるべき週数を超えちゃったからもういいやってことでやってない。
でもさ、障がいとかが怖いならさ、とりあえず妊娠してから考えればいいじゃん。病院からその時期になったら出生前診断どうしますかって聞かれるから、やってみて最悪悪い結果がでたらそのときに考えることだってできるわけだし。間に合う時期に検査するはずだから。まぁ実際お腹で育ってくれてるって実感沸くと中絶なんて気も起きなくなるけどねー。わたしはそうだった。妊娠前は怖くて異常があったらおろそうって思ってたんだけど、実際妊娠してみたら、そんなこと怖くなくなった、どんな障がいがあっても生まれてきてくれるなら産んで見せる、育てて見せるって考え変わったよ!」
ひゃー。妊娠してから考えればいい。そんなこと思ってもみなかった。でも確かに、妊娠する前から心配してたって仕方がないってことは確か。いくら心配したところでまぬがれられることでもないわけだし。
そして、妊娠してみたらそんなこと怖くなくなった、どんな障害があっても生まれてきてくれるなら産んで見せる、育てて見せる・・・か。。涙が出ました。
すごい、みんな、考え方はいろいろだけど、共通してすごく強い!!
そしてそうなんだ、妊娠したらそんな風に考えが変わるんだ。そこはいまは未知だけどわたしもそうなれたらいいな。
出生前診断の結果で中絶を選択する人も多い・・・
実はわたし若いころに出生前診断のことを初めて知ったとき、絶対やろう!やって異常があったらおろせばいいんだから、っていうか出生前診断できるなら異常がある子はひとりも生まれなくなるんじゃないの?って思ったんです。
すごく乱暴な表現で不愉快に感じる方がいたらごめんなさい、当初の正直な気持ちを一旦そのまま書かせていただきます。
実際、2013年度の調査で、新出生前診断で異常が指摘された人のうち、中絶を選んだお母さんは97%もいたんだそうです。すごい割合ですよね。。きっと出生前診断を受けると決めた時点で異常があったら終わりにしようとある程度決めてから臨んでいたのでしょうね。
わたしが話を聞いた親戚と友達のように、異常が見つかったってそれがなんなの?なにがあっても産んで見せる!育てて見せる!と思っているお母さんはそもそも最初から出生前診断を受けないのでしょう。
異常が見つかったって産んで見せる!育てて見せる!
こんなこと若いころには考えもしませんでしたし、妊活中にこの友達から聞いたときも自分がそう思えるようになるとは思っていませんでしたが、妊娠できてからわかりました。
この気持ちの変化についてもいつか別の記事で書いてみようと思います。
自分も強くなれることを期待して・・・
この時はまだ自分がこの友達や親戚のように強くなれるか自信はありませんでしたが、
妊娠してみたら妊娠前と考えが変わった、怖くなくなった、どんな障がいがあっても生まれてきてくれるなら産んで見せる、育てて見せる!
そんな風に思えるような母親になりたい、そんな風に思えることを期待して前に進んでみたい、という気持ちに少しずつなってきました。
そして今度は一転、実際にダウン症や障がいをもったお子さんをお持ちのママさんのブログを読みあさりました。
ダウン症のお子さんを持つ奥山佳恵さんやその他ブログのママさんも、育てていて普通の子と何ら変わりがない、違うことはほかの子より少し成長がゆっくりなだけ、可愛い時期がゆっくり過ぎてくれるので可愛さをじっくり味わえる、とか、愛嬌があって心が優しくて天使の様だとかって書かれていました。
あと、バイオリニストの高嶋ちさ子さんのお姉さんもダウン症なんですよね、以前テレビに出られたことがあってその番組観たのですが、高嶋ちさ子さんもお母さまも割と元気ではっちゃけた感じの方だったのですが、そのダウン症のお姉さまが番組進行の安住紳一郎さんに「なんかすみません、こんな母と妹で。。」みたいにおっしゃっていて、安住さんが「お姉さんが唯一まともですね。」とコメントするほどに本当にしっかりされた方でした。
あと毎朝の通勤時、向かいのホームのちょうど正面の位置にいつもダウン症の男の子がわたしと同じ時間に電車を待っているんです。きっとお母さんに教えられたのだと思いますが、いつも必ず決められた場所にきっちり同じ時間に身じろぎをせずに立っているんです。キョロキョロしているけどじっとそこにちゃんと。
ダウン症のお母さまたちのブログを読みあさるようになってから、その子が可愛く思えて仕方なくなりました。毎朝、あの子いるかな?いた!ちゃんと電車乗れるかな?乗った乗った!と心配して見送るのが日課になるほどに。
実際なにがわかるわけでもないわたしなのでなにを語れる立場ではないのですが、少なくとも以前の自分とは違って受け入れようとしている、踏み込もうとしている、そしてそのダウン症の男の子を愛おしいと思えるようになったころには、わたしはなにを怖がっていたんだろう、と思うくらいにもなりました。
義理の父にも、ほかの孫と分け隔てなくわたしの子も可愛がってもらおうと思いました。
そしてこうやって自分なりにリスクを覚悟しようとしているってことは、それを乗り越えてやっぱり子供が欲しいんだなとなんとなく自分で自分を判断しました。
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