体外受精以外の卵管への胚移植とは!分割胚の子宮外妊娠の解決法?

 
前回の記事で子宮外妊娠について、また子宮に移植された分割胚(初期胚)が自ら卵管内へ戻っていくということについて書きました。それはいったいなぜなのか、子宮内にはない、卵管内だけにある受精卵成長に適した環境というものがあるのでしょうか?
子宮外妊娠についての続きと、卵管の役割について調べてみましたのでご紹介します。

卵管の役割 

すごーく詳しく卵管の役割について書かれたTERUMOのサイト(さわだウィメンズクリニック院長 澤田富夫先生の記事)がありましたのでちょっとわかりやすい表現に書き換えながら紹介させていただきます。http://ft.terumo.co.jp/qa_detail_01.html
 
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受精卵の発育

卵管に取り込まれたあと卵管の中で受精した受精卵(胚)を胚盤胞に成長するまで支えているのが卵管上皮です。卵管上皮とは卵管の内側のひだ状の壁のこと。この上皮から分泌される成長因子等が重要な役割を果たします。従って上皮が傷害されていると胚成長のための必要な物質が足りなくなるのです。体外受精で胚を育てるための培養液はこの卵管内溶液に類似したものを使用しています。
 

胚の輸送

胚は成長をしながら子宮に向かって送り出されます。それに加え卵管周囲の血流の変化、卵管内圧の変化等により胚を子宮に向かって送り込みます。その働きは卵巣から放出される女性ホルモンのバランスにより変化します。途中に狭くなっている部分やくっついている部分などがあるとスムーズに胚が送られず正常の妊娠がしにくくなります。

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なんとなんと!やっぱり卵管内には受精卵の成長に必要な成長因子等物質があるということなのですね!そして培養液はこの卵管内溶液に類似したものを使用しているんですね!
 
さらに、この卵管上皮のひだが受精卵を子宮に送り込むということはKLC説明会で習って知っていたのですが、卵巣から放出される女性ホルモンの働きにより卵管周囲の血流の変化、そして卵管内圧の変化も加わって受精卵を子宮に送り込んでいたとは!
 

体外受精で子宮外妊娠になってしまうのは?

でもどうなのでしょう、本来は卵巣から排卵された卵子は卵管采という卵管の先っぽから入ってきて子宮へ向かって移動します、でも体外受精で子宮に移植された受精卵は子宮から卵管を逆方向に進んでいくわけですよね。本来精子が進んでいく方向へ。そしてある地点で卵管の働きにより子宮へ向かう方向へ促されてUターンする。
 
この地点でUターンして往復距離がちょうどよかった場合は、受精卵が胚盤胞になったころにちょうど子宮にぽとんとたどり着けるのでしょうけれど、もしちょっと受精卵の逆行する力が強くて卵管を長く奥まで戻りすぎたりしたら、ようやくUターンして子宮に向かい始めても胚盤胞になったころにはまだ卵管の途中にいて、でも受精卵(胚)はもう殻を破ってでる状態で、あー!こんなところで着床しないでよー!(卵管の叫び)みたいな感じが子宮外妊娠になる状況なのでしょうか。
 
でも受精卵にそのような、子宮ではなく卵管という本来いるべき場所を選んで移動する力があるのであれば、殻を破った胚にも、あれ?ここちょっと狭いし寝にくいな、ちょっと子宮まで移動しよーっと、とアメーバみたいにズリズリ移動してくれる力があってもいいのにー!と思ってしまいました。
 

子宮外妊娠になる確率

ちなみに子宮外妊娠が起こる確率は、自然妊娠で1~2%に対して、体外受精で起こる確率は2~4%なんですって。
※日本産科婦人科学会『産婦人科診療ガイドライン産科編2017』
 
そして胚盤胞を使った体外受精の場合は、その確率は1%以下にまで下がるそうです。自然妊娠より低い。それはつまりやっぱり、分割胚(初期胚)が卵管を逆行してUターンするけど子宮まで行き着かないことが原因である可能性が高いと言えるのではないでしょうか。
 

卵管への移植

でもだったら、子宮に移植するのではなく卵管に移植したらどうなの?
またまた調べてみたところ、えー!やってるところあるみたい!歴史もそんな昨日今日ってほど浅くもないみたい?知りませんでした!
 
具体的にどれくらいの歴史があるのか、実績はどうなのか数字を見つけることができませんでしたが、いままで主流であった体外受精よりもより妊娠率が高いとして最近取り組まれている方法のひとつなどと書かれています。
 

セントマザー産婦人科医院

【セントマザー産婦人科医院】という福岡の病院、有名みたいですね!
卵管内に移植する治療法を正式にホームページで案内されていて、関東からわざわざこの病院の治療を受けるために福岡まで通ってらっしゃる方もいるみたいです、すごい!
 
卵管内移植について、
 
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卵管とは、精子と卵子が出会う(受精する)場所であるため、「精子と卵子にとって最も環境の良い場所」といえます。
つまり、培養液で受精卵を発育させる治療法と比べて、卵管内移植はより自然に近い形での妊娠を実現した高度生殖医療といえます。
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と書かれていますね~!やっぱりそうなんだ、卵管!
 
料金も普通に表示されているので実施例も少なくなさそう。
 
あ!実際の移植件数出てますね、胚の状態によって3種類の卵管内移植の方法があるみたいですが、GIFT(受精未確認で移植)44件、ZIFT(受精確認後移植)37件、EIFT(分割確認後移植)59件、それぞれの件数合計で140件ですね。
 
まだまだ多くはありませんが、妊娠率は一番高いところでZIFT法の18.9%だそう。一見体外受精と同程度の高くなさそうに見える数字ですが、この方法を試している方は体外受精を何度も失敗していて、もうほとんど妊娠が望めないとされた後に、次のステップとして試されている方法のようなので、その方たちの妊娠率とすればものすごく高い確率だと思います!
 
KLCは不妊治療としては名高く、最先端の技術と開発で有名な病院ではありますが、あの都心の小さなビルで入院のための部屋その他のスペース確保も難しそうですし、腹腔鏡の設備もないので(わたしが2度目の子宮内ポリープの手術を ” 子宮鏡下内膜ポリープ摘出術 ” で受けたのですが、その際、KLCにはその設備がないのでKLCではできないとのことで別の病院を紹介されました。)現実的に難しいのでしょうか、いまのところホームページにも載っていませんね。
 

着床率が高いのに卵管内移植よりまだまだ体外受精が選ばれるのは

ただ、卵管内移植は体外受精よりも高額なことに加え、腹腔鏡手術で行うようなので、全身麻酔をしたり入院もしなければならない、と体外受精よりもさらに大がかりのようですね、そしてそこまでしたのに妊娠しなかったときの精神的ダメージについても覚悟しないといけないようです。
 

卵管内移植で子宮外妊娠を減らせる日がくる?

ちなみにこの卵管内移植をした人の中で卵管への子宮外妊娠が起こる確率はどれくらいなのでしょう?
数字は出ていないのでまだいまのところゼロ件なのか、流産の数の中に含まれているのかわかりませんが、体外受精よりもさらに自然に近い形での移植となるので自然妊娠と同じくらいの確率なのかもしれませんね。
 
でももしこの先卵管内移植の実施数が増えてきても子宮外妊娠の発生率が極めて少ないとなったら、またそういう意味でも卵管内移植が注目されるかもしれませんね。
そんなニュースが聞ける日が来るかもしれないと思うとワクワクします!
 
 

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