体外受精の移植で着床しやすいのは新鮮or凍結?分割胚or胚盤胞?【KLC通院ブログ】

 
前回の記事で体外受精の段階のうち受精についてまで書きましたが、今回は最後の段階である移植について書きたいと思います。こちらも加藤レディスクリニック(KLC)で採用されている方法をベースにご紹介します。 

移植の方法もふたつ

新鮮胚移植

超音波画像で子宮を確認しながらカテーテルという細い管で子宮底部(子宮口から見て一番奥の底の部分)に、体外で育てた受精卵(胚)を置いてくることを胚移植と言いますが、新鮮胚移植とは、採卵した卵子を凍結保存することなく同じ周期内にすぐに移植することを言います。つまり体外に出ている期間は採卵以降2~5日程度で、体外で育てた時間と、子宮内膜が移植・着床に適した状態になるタイミングが一致した場合は新鮮胚移植が可能です。
 
ちなみに胚移植の作業にかかる時間はいずれの方法も同じで10分程度とあっという間です。
 
KLCで使われるカテーテルは、従来の半分の太さのものに、素材も固いテフロンから柔らかいシリコンのものに変更されたようです。柔らかければ操作は難しくなりますが、そこもKLCが独自で技術開発して操作性も解決されたものを使用しているとか。使用する器具まで自ら開発しちゃってるんですね、すごい組織!KLC!
 
わたしは2回目3回目の体外受精で新鮮胚移植を試しましたが、着床には至りませんでした。

凍結胚移植

通常、子宮内膜が着床に適した状態になるのは排卵から5日目頃ですが、受精卵が胚盤胞になるまでの時間は5日~7日程度とマチマチでタイミングが合わない場合があります。成長が遅い胚は子宮の着床に適した状態のタイミングを逃してしまいます。これも不妊の原因のひとつになりえるというわけですね~。
 
逆に受精卵は5日目に胚盤胞になったのに、子宮の内膜の厚みが足りないなど胚を受け入れる状態になっていない、など何らかの理由で子宮内膜に問題がある場合など、双方のタイミングが合わない時に有効です。
 
一旦受精卵を凍結し、次周期以降の、排卵5日目の子宮内膜が適切な状態のタイミングで移植することができるため、これもまた着床率を大きくUPさせている理由だそうです。
 
わたしは新鮮胚移植したのは2回目&3回目の計2回、そのあとは新鮮胚では着床まで持っていける力がないとみて、以降は胚盤胞の凍結胚移植で行きましょうといわれました。
 

移植する胚の段階も大きく分けてふたつ

分割胚移植(初期胚移植)

受精卵は受精後、卵管の中を転がりながら(体外受精の場合は培養液の中で)2分割、4分割、8分割、16分割・・・と分割が進んでいきます。8~16分割の段階になると見た目が桑の実に似ていることから桑実胚(そうじつはい)と呼ばれ、自然妊娠で言えば卵管の中で分割してちょうど子宮に到着するころだそうです。
 
分割胚移植は胚盤胞になる前の8分割くらいまでの胚を移植することを言います。私は2回、分割胚(1回目は4分割になったころ、2回目は8分割になりたて、の状態の胚)の新鮮胚移植をしましたが、両方とも着床しませんでした。

胚盤胞移植

5~7日間培養して16~32分割ころにはもう分割した境目がわからなくなり中身がくっつき空洞のように見えてきます。このころを胚盤胞と言い、この子宮に着床する直前の状態の胚を移植することを胚盤胞移植と言います。胚盤胞移植の着床率は分割胚(初期胚)移植の2倍以上だそうです。分割胚(初期胚)移植で着床しなかった人の次のステップとして選択されます。
 
胚盤胞の着床率がそんなに高いのなら最初から分割胚移植などの選択は与えずに胚盤胞移植を勧めてくれたらいいのに!と思って質問したところ、例えば培養中に胚盤胞直前で成長が止まってしまった、という例があったとして、この受精卵をもし分割胚の状態で移植していたら体内で胚盤胞まで成長して着床できていたかもしれないという可能性もあって、一概に胚盤胞まで培養して戻す方法が一番いいともいえないのだそうです。
 
KLCがいくら質のいい培養液と培養環境と培養技術を持っていたとしても、本来いるべきおかあさんのお腹の中の環境には敵わないからだそう。
 

どの方法が一番着床しやすいのか?

これは誰もが一番知りたいことだと思います。
新鮮分割胚がいいのか、新鮮胚盤胞がいいのか、凍結分割胚がいいのか、凍結胚盤胞がいいのか。
 
前の記事の、周期や受精の方法の選択肢も加わると、その組み合わせは数え切れませんが、胚の段階だけで言えば、一般的にはいま書かれた順番、もしくは、新鮮分割胚、凍結分割胚、新鮮胚盤胞、凍結胚盤胞、この順番であとになるほど着床の可能性が高いと言われます。つまり凍結胚盤胞ですね。
 
ちなみに選択肢にはあっても実際 新鮮胚盤胞が選ばれることは少ないそうです。それは上にも書きましたが、胚盤胞になる時間は受精卵によって5日~7日とマチマチ、でも子宮内膜が移植に適した状態になるのは排卵後5日目、タイミングが合う確率が高くないからです。だったら一旦凍結して最適なタイミングで移植できる周期で移植したほうが着床率は大幅にUPするそうなので、胚盤胞を移植する場合は大概凍結を勧めるとKLCの先生がおっしゃってました。
 
あとタイミングがぴったり合っていたとしても、胚盤胞は新鮮胚よりも凍結したほうがなんか着床率がいいんだよね~とも。それはなぜなぜ?と詰め寄ってみましたが、いやほんとなんでだかはわからないんだけど、なんか凍結したほうが結果がいいんだよね~、とのことでした。
 
できれば少しでも自然に近い形で妊娠できるに越したことはないから(お母さんのお腹のなかが一番いい環境のはずだから)、まずは病院の介入度が低い方法から試していって、その方法で着床に至らなければ次に介入度がひとつ高い方法、また次はもうひとつ介入度が高い方法、と試していくことにはなるけれど、結局その人にとって、またはその受精卵にとってどの方法が一番いいのかは毎回わからない、100人が100人、高度なステップの方法がいいとは限らない、だからいろいろな方法を試しながら可能性を探していくしかないんだそう。
状況によってはまた介入度が低い方法に戻してみたら成功する可能性もあるってことですね。
 
そう聞いてわたしが思ったことは、たまに” 凍結胚盤胞が着床率が高い “という表現を耳にしたことについて。ステップアップしていっても失敗を繰り返している人に対しては状況が大きく変わったりしない限り(とびぬけてグレードの高い受精卵ができたとか。でもグレードは年齢も加味されてつけられるそうなので突然とびぬけていいグレードがつくことはほぼない。)もう後半は最終的な手段である凍結胚盤胞の移植を繰り返すことになると思うんですね、だから必然的に凍結胚盤胞の実績に多く蓄積されるだけなのではないかなと。
 
わたしの場合も新鮮分割胚は2回だけであとは全部凍結胚盤胞。一応毎回診察室や問診室で、新鮮分割胚や、凍結分割胚や、新鮮胚盤胞を選べる瞬間はあるのですが、実際はもう選ぶまでもないという雰囲気で後半は凍結胚盤胞を勧められました。
 
もしかしたら新鮮分割胚を移植したほうがいい回だってあったかもしれない、子宮内膜ポリープ手術をした後に新鮮分割胚を移植したらもしかしたら着床していたかもしれない。けれどそれは先生も培養士さんもわかりっこないことで、2回続けて新鮮分割胚が着床しなかった時点でわたしには新鮮分割胚を育てる力がないと判断され、前に戻ることは勧められませんでした。
 
つまり凍結胚盤胞まで行ったらそこの壁で行き止まり。多くの方がそうやって最後の壁の前であしぶみし続けることになると思うんですよね。そこで結果がでたら凍結胚盤胞に一票入るわけだから、そりゃ凍結胚盤胞の着床率としての成績が必然的に上がっていくのではないかな?と。本当の着床率のデータは同じ割合でいろんな方法を試していかないと出てこないのではないかなと思ったりしました。凍結胚盤胞が着床率が高いというよりも凍結胚盤胞の実施例が多く、それに伴う実績も多い、ということですよね。
 
その実績数で凍結胚盤胞を選択するというのは大いにアリだと思います、でも何回か凍結胚盤胞で結果が出なくて行き詰ったら、先生に相談されたうえで新鮮胚や分割胚に戻ってみるのも可能性はあるかもしれません。
 

移植の際の補助、アシステッドハッチング

胚盤胞になった受精卵は、子宮内に着床するために、それまで胚の中身を守ってくれていた透明帯といわれる殻を破って中から胚が出てきます。たまごの殻を割って中から無防備な黄身と白身がでてくるみたいなイメージです。
 
しかしその透明帯(殻)が硬くて破れないのか、または胚に透明帯を破るためのパワーが足りないのか、とにかく中から出てくることができなければせっかくそこまで成長しても着床することができません。そこで、その透明帯に穴をあけたりして中から出てくるための補助をしてあげるのです。
 
KLCは穴をあけたり薄くしたりするだけではなく、すべてを取り除く方法をとっているそうです。そのほうが着床率が明らかにあがるからだそうです。
 
わたしは凍結胚盤胞の移植の際は毎回選択していました。これも絶対選択したほうがいいとは言えないのだそうです。KLCではほとんどないと思われますが、アシステッドハッチングの作業の際に胚を損傷させてしまう可能性や、取り除いた刺激で成長がストップしてしまう可能性もなくはないんだとか。
 
アシステッドハッチングを選択していなかったら着床していたかもしれない、という可能性もゼロではないのでこれもまた可能性にかけての選択のひとつなんだそう。でも私は着床率があがる可能性にかけて選択していました。
 
採卵した時や、新鮮胚移植のときにモニターで見た透明帯に守られたまん丸の卵子 or 受精卵とは違って、アシステッドハッチングした胚は形がいびつなのが印象的でした。殻をむかれて裸ん坊にされちゃった感じです。
 

移植前のホルモン補充

上にも書いた通り、凍結胚を移植する場合、子宮内が着床しやすい環境になっていることが重要ですが、ホルモン値の乱れなどでそれがかなわない場合など必要に応じてホルモンの補充をして、ホルモン値をコントロールし、子宮内膜の状態を良くして適切なタイミングで胚移植ができるように導く方法だそうです。
 
わたしは毎回子宮内膜の厚さも12~16mmと充分だったためか、このホルモン補充を指示されたことはありませんでしたが、それも子宮内膜がポリープで厚かっただけなのかなぁと今では思います。
まぁホルモン値も正常範囲内だったのだとは思いますが。
 
 以上、KLCで教えていただいた体外受精に関する方法、選択肢の数々、ご紹介しました。
 
 

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