体外受精の陰性判定直後の正月、気持ちの整理つかぬまま突然涙のダム決壊!

 
昨年1年の不妊治療は結果を出せずに終わりました。いろいろな病院を回って不妊治療としては最初、杉山産婦人科でタイミング療法2回、そのあと加藤レディスクリニック(KLC)に転院し、4回の体外受精をしてみましたが着床する気配はなく終わってしまいました。大晦日に4回目の陰性判定を受け、ちょうどいい区切りの時、気持ちを新たに新しい年を迎えたはずでしたが・・・ 

正月にゴルフ

毎年正月休みはゴルフ漬けの夫婦でしたが、今年もまたゴルフに来れることになるとは思っていませんでした。
 
正月ゴルフは暖かく気持ちいい!真冬だから寒いイメージがあると思いますが、なぜか毎年正月は暖かいんですよね~、寒いのは正月終わってからの1月から3月いっぱいまで。
 
やっぱり広い緑の中で思い切りスカーッとぶっ飛ばすのは気持ちいいですね! 
正月はこうでなくちゃ!
 

目の前に妊婦

旦那さんの実家のみんなでレストランに食事に行きました。クリスマスイブ以来の集合です。 
ひとりのお義姉さんのお腹は相当大きくなっていました。
 
ここ数日妊活から気持ちがすっかり離れていたので、目の前にお腹の大きな妊婦さんが座っているのは現実を見せつけられているようでとてもまぶしく目を逸らしたくて仕方がなく、体を斜めに向けてなるべく視野に入らないようにしました。
 
お義姉さんからメールで妊娠の報告をうけたときの「おめでとう」も、苦しんで苦しみ切ってからようやく返信できたくらいなのに、そのお腹がいま目の前にあるのは結構精神面で整理がつかないというか、すごく複雑な心境でした。
 
「つわりは?終わったの?」
 
普通に食べることができているようなのでかろうじて思いついた話題で話しかけてみると、
 
「終わったー!辛かったー!つわりってほんと辛いからさ、妊娠したこと後悔するよ!」
 
・・・・話題、ミスった。。。
 
苦労の末のやっとの妊娠なのに、つわりなんかで後悔するわけない。数々の奇跡の集結がお腹にきてくれたのに後悔なんて。ほんとに後悔したなら妊娠やめちゃえばよかったのに。。
 
もしかしたらきっと、思い立って結構すぐに妊娠できたりすると妊娠がどれほどの奇跡の集結なのかなどと考えたりしないのかもしれないな。実際わたしも不妊治療でなかなか結果が出せなくて苦しんで初めて、こんなにいくつもの難関を乗り越えないと妊娠って成立しないんだってこと思い知ったし。
 
そしてきっとお義姉さんのその言葉も
「妊娠できないのも辛いと思うけど、妊娠できてもそれなりに辛いよ。子供ができないならできないでそれなりにいいことはあるよ。」そういうような慰めの言葉のつもりだったのかもしれない、そう受け取りなさいと自分で自分に言い聞かせました。
 
 

ついにダム決壊

そこへ義理の父からワインボトルが回ってきました。
 
クリスマスイブの時も少しの酒は体にいいんだぞ!などと割と強めに勧められましたが、いま移植してきたのに飲めるわけないよね・・・と心の中で苦笑いしながら今日はやめときます、と断ったら、ノンアルコールの梅酒を飲んでいたお腹の大きなお義姉さんが察して「あ、これ飲めば?」と分けてくれました。
 
でも今日はそうだ、別に断る理由もないんだ、と思い「あ、じゃぁ少しだけ」とグラスを差し出したら、
 
「・・・え?・・あれ?サンタさん、ダメだったの・・?」
 
隣に座っていたもうひとりのお義姉さんがほかに聞こえないように小さな声でわたしに言いました。そう、クリスマスイブの移植の後「サンタさんがプレゼントしてくれるかもね!」とメールをくれた姉です。
 
その目がとても残念そうに優しく、その配慮のある小声も相まって、わたしのなかの涙のダムがよりにもよってこんな場所で突然決壊してしまいました。。
 

レストランのトイレで大号泣

旦那さんの家族の前で涙など流したことのないわたし、慌てて席を立ってレストランのトイレに駆け込みました。そしてこんなに声を上げてこんなにしゃくりあげてこんなに大量の涙を流して泣いたことがここ数年あっただろうかと思うくらいに激しく泣きました。トイレの外にまできっと聞こえていたと思います。
 
いつまでもいつまでも止まりません、泣いても泣いても涙が止まらないんです。
大晦日の判定から6日間、その悲しい結果をしっかり胸で受け止めて涙を流すことをせず、忙しさでごまかしてやり過ごしていたせいでしょう、溜まりに溜まった涙がここで決壊したようです。悲しい時はその時に、ちゃんと時間を作ってしっかり泣いとくべきなんだなとこの時思い知りました。
 

優しいお義姉さん

しばらく泣いて、やっと声だけは出さずに泣けるようになった時に、コンコン。。トイレの個室をノックされ名前を呼ばれました。
 
仕方がないので出てみると、さっきの隣にいたサンタさんの方のお義姉さん。
 
「ごめんね、ごめんね、あたし変なこと言っちゃったよね。辛かったんだよね、そんな時にごめん。わたしも一応欲しくてもできない時期はあったから、少しはその気持ちわかるよ。。」
 
またその優しい言葉におさまっていたしゃくりあげがまた激しく戻ってきてしまいました、
 
「違うの、忙しくてずっと泣きたいのに泣かずに来ちゃったからたまたまいま爆発しちゃっただけでお義姉さんのせいじゃないから。こっちこそごめんなさい、気にしないで。」
 
それだけなんとか言いました。
 

本来判定後に流しておくべき涙

お義姉さんの後ろには旦那さんもいました。ここは女子トイレだぞ?と思いましたが幸いほかに誰もいなかったので入ってきたのでしょう。ふたりの前でまた激しくひとしきり泣いて、今日はこのまま帰ることにしました。さすがにこの状態でみんなのいる席には戻れません。
 
帰りの車で旦那さんに、目の前の大きなお腹のお義姉さんの姿と「つわりで後悔する」という言葉で複雑な気持ちだったところへ、優しいサンタさんのお義姉さんの言葉とまなざしがきっかけになってしまっただけだという説明をしました。
 
どうやらわたしが席を立った後、サンタさんの方のお義姉さんが余計なことをいってわたしを泣かせた、ということにされてしまったようで、お腹の大きいほうのお義姉さんに散々責められていたそうです。そうじゃないのに。。
 
この涙は大晦日に流しきってきれいに区切りをつけておくべきでした。それをしなかったために去年の悲しみをひきずってきてしまいぼやーっとした年の始まりとなってしまいました。

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