加藤レディスクリニック(KLC)で最後の体外受精に挑んでいます。先周期で大出血ながらふたつの卵子の採卵ができ、そのうちひとつが胚盤胞まで成長し無事凍結保存することができました。次の周期のD13、移植のためにKLCを訪れます。
D13 血液検査&卵胞検査
移植はD18の8:30となりました。当日は9階の待合室の入口にある受付に直接いくようにとのことでした。
D18 8:30移植
「よろしくお願いしまーす!」とオペ室に入っていつものごとく背中を向けたまま座っている先生の後姿に挨拶をしてハッ・・・!?
じょ、女性だ・・・まさか・・・?
踏み台に上がって裾をまくって手術台に腰かけて・・・一連の動作をしながらわたしの目は先生を探ります。
でも先生は背中を丸めて下を向いてうつむいたままで顔を見ることができません、でも背格好がどうも似ている・・・
手術台に寝ころんでドキドキドキドキ・・・
すると、ガチャンッ!!なにかに器具がぶつかる音がしました。そしてこちらに振り返ってきた途端にわたしの足にドスッ!!と肘をぶつけ・・・
ま、まちがいない!!こないだの大出血の時の女医さんだーーー!!!
なんてこった、最後の採卵だったのでもうお会いすることはないだろうと思っていましたが、そうか移植のシフトもあったんだ!!まさかこんなことになろうとは思っていなかったのですっかり安心しきっていましたが急に不安の嵐が胸を襲います。。こわいこわいこわい!!!
でもちょっとまて、今日は移植でしょ、針などの鋭利なものはつかわない、ただカテーテルが入るだけ、落ち着け、落ち着くんだわたし!そんな怖いことが起こるはずがないんだから!
胸の上で組んだ両手をぎゅーーーーっ!!と握りしめて祈りました。
移植前のモニターでくすくす笑うたまごちゃん
「はい、左側のモニターはこれから移植する受精卵ですね~」
看護師さんの声で我に返りました。そうだ、前回はあまりに衝撃的な採卵で、採卵できた喜びなどに浸ることを忘れてしまっていましたが今日は貴重な最後の移植です、思う存分目に、脳裏に、焼き付けなければ。
左手側のモニターに凍結保存から融解されアシステッドハッチングされた楕円形のような胚が映っていました。これからカテーテルに吸い込まれます。すると、
くすくすくすくす(^o^)
まるでそんな風に笑っているかのように胚が細かく揺れていました。いや単に培養士さんの作業中に少し培養液かモニターが揺れただけです、それは間違いないのですがわたしには笑っているかのように見えました。こんな風に見えたことも胚が可愛いと感じたことも初めてで、そしてなにか確信に近いものを感じました。
この子なら・・・きっと来てくれる!!!
胚を見つめながら涙がじわーっとあふれてしまいました、まだ細胞レベルの胚なのに気持ちが通ったような気がしてしまって。
相変わらずの動きの速さ
モニターのたまごちゃんと見つめあっている最中にも動作がやたら慌ただしい、、中の消毒もやっぱり力加減が強くて痛い!!
でも今日は傷はつかないはずだし多少痛いくらい我慢します、とにかく正確に、、そのたまごちゃんを間違いなく移植お願いします!!
心配でカテーテルの移動をずっと目で追ってしまいます。培養士さんから看護師さん、看護師さんから女医さんへ、、そしてすでに通されていた太いカテーテルの中にたまごちゃんの入ったカテーテルが素早く通され、今度は右側のモニターに卵巣の様子が映っていました。小さなダイヤモンドみたいに子宮の中に培養液ごと置かれたたまごちゃんが光りました。
「ここに移植されましたよ~」
看護師さんがモニターを指さして教えてくれます。今度こそ、今度こそ、子宮内膜に潜り込んでね!!
とりあえず今日は無事に移植が終わりました。
D19 うつぶせで1日眠る
いままでは移植後、仰向けや横向きでゆっくりしていたのですが、今回はうつぶせでお腹をおしつけてみました。湯たんぽを布団に入れてほっかほかにして。まだ1mmにも満たない小さな細胞ですからつぶれるとかそういう次元ではないはずだし、いっそ子宮内膜に押しつけて子宮の中で身動きできなくしてしまえ、あなたの行き先は子宮内膜の中のみ、そっちの方向しか道はないんだぞー!とイメージしてました。(実際にはうつぶせでいようが仰向けでいようが関係ないと思いますが。。)
D20-21
無性にイライラ・・・旦那さんにやたら当たってしまう。
そして気のせいか、D21に入ってから右脇腹がチクチクというか引きつった感じがする・・・?けどまた想像妊娠かもしれないし気にしないでおこう。
D22 母の仏壇にお線香をあげに
実家に顔を出し、母の仏壇にお線香をあげ、手を合わせながら心の中で母に祈りました。
もしこのまま旦那さんとふたりの生活のほうがわたしにとって幸せなのであればこれ以上無理に子供は望まないので今回妊娠できなかったらそういう答えをもらったと思ってあきらめます、でもわたしにもし子供がいたほうが幸せな人生を送れるというのであればどうかママの力を貸してください。このお腹のたまごちゃんが着床するように力を貸してください。
母と、子供についてのお話をしたのはこれが初めてです。相談もお願いもしたことがありませんでしたので、わたしが妊活をしていたことさえ知らなかったでしょう。でもあれだけわたしに子供を望んだ母です、わたしが悩んでいると知ったら全力でサポートしてくれるはず、もうそれで判断しようと思いました。
万が一妊娠できても無理をしたせいでわたしも子供もいろいろなリスクを背負って予想外の人生に苦しんだりするのか、もしくはそうじゃないのかはもしかしたら天国にいる母ならわかるかもしれない。わたしに一番近い存在の神様である母、きっとより良い道に導いてくれるはず、もし今回妊娠しなかったら母がそれを事前に教えてくれたと思って素直に受け止めよう。
母に託すことにしました。あとは待つだけです。
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