婚活を始めたきっかけと理由!決め手となった母からの言葉とは?

 
私は37歳で婚活らしき婚活を始めました。それまでも結構積極的に友達に誘われる集まりや飲み会には参加したりしていたのでそれも傍から見たら婚活かのように見えていたかもしれませんが、目標が漠然としていて意識と方向性を間違えていました。

突き刺さる母の言葉

有名企業の方々と知り合いになれた、業界人と知り合いになれた、事業家の方々と知り合いになれた、など、誘われる場所は自分には不釣り合いな、きらびやかな方々の集まる場所ばかりで、それはそれで話題にはなるけれど、なんの発展もするわけがない。
 
結婚結婚とうるさかった母も私が30代半ばに入るとぱったりと口にしなくなった。そしてある日突然、
 
「あなたが幸せなら一生独身でもママは構わないからね」と。
 
いままでみたいにガミガミまくし立てられるよりグサッと胸に刺さった言葉でした。
 
母の中での葛藤。。あんなに娘の結婚を望んでいたのに、一生独身でいいと受け入れるまでには相当葛藤があったはず。
その葛藤を思うと胸が苦しい。
 
人生全部が反抗期、母の前ではとにかく常につっぱって、弱い姿は見せたくない、そんなひねくれ娘だったので、母が持ってくる紹介話も超拒絶。なにか母娘が一丸となって結婚に取り組むという姿勢がとにかく嫌で仕方がなく。もしこちらが前向きな姿勢を見せたのに先方から辞退されてしまったなどということがあったら、母にも悲しい思いをさせる、そして自分の悲しい気持ちも悟られてしまう、それが恐怖で仕方がなかったのです。
 

 

母とふたりで初めてのデート

 
ある日母が新しいコートがほしいというのでつきあうよと申し出て、二人である会社のファミリーセールに出かけました。
一世一代の歩み寄り。長年無意味につっぱってきたこの態度を解除するきっかけがほしいと友達に相談した時、一緒にお洋服を選んだりするのっていいよ!とアドバイスもらっていたのだ。
 
「あなたとお出かけなんて初めてね♪」
 
母は子供のように無邪気に喜んでいる。
たったこれっぽっちのことでこんなに喜んでくれるんだ。。だったらいくらでも喜ばせてあげられることあるだろう?なぜできない?私よ?
 
行きの電車で「見て♪孫がいないからこうしてあなたの写真を持ち歩いているの♪」
セピア色に古ぼけた私の赤ん坊のころの写真をバッグから取り出し、愛おしそうな笑顔で私に見せてきた。
 
な、なんて不憫な。。。
慌てて目をそらした。
 
きっと周りの友人から孫の写真を見せられさみしい思いをしてきたのだろう。
孫を抱っこさせてあげることも、写真を持たせてあげることもできず、それに代わる親孝行もせず、用事がなければ会いにもいかない、なんて親不孝な娘なの?
 
母はロングコートが欲しかったようだが、とても小柄なのでどれを着てもベンチコートみたいに見えてしまう。
足元寒いかもしれないけどママにはこれくらいの丈が似合うと思うよ、とハーフコートを薦めてみたら、照れくさそうに試着している。かわいい。。
とても似合うコートが見つかった。
 
 

賞味期限100年の梅干し

 
出口手前の食料品コーナーで母がお礼にと梅干を買ってくれた。
 
「これ賞味期限100年ですよ笑!」
 
塩分たっぷりだから長持ちするんだと楽しそうに薦める店員に、
 
「あら、そしたら私より長生きだわね♪」と笑顔でお金を払う母。
 
・・・・!? 母がいなくなって、梅干が残る・・・?
 
初めて恐怖を感じた。母がいなくなることなど今まで考えたこともなかったのだ。でもそうだ。そういう時はいつか来る。。
 
 

小さな母の背中 

帰り道、途中下車して紅葉のきれいな公園に寄ってみようと提案してみた。
ちょっと疲れた様子だったけど公園に着くと
 
「きれい!二人で写真撮ろうか♪」
 
また子供のように無邪気にはしゃぐ母。
 
写真は無理だー。カメラに向かって笑顔なんて、まだ体中が意地っ張りだらけの私にはハードルが高かった。
 
「嫌だよ。公園の写真だけ撮ればいいじゃん!」
 
意味不明な言葉で断ってしまった。
 
母は使い始めたばかりの携帯で、たどたどしく公園の写真を撮っている。そんな母の後ろ姿を見ながら
(笑わなくたっていいから並んで写真くらい撮ればいいじゃん!バカ!!)
 
心の中で自分を責めたけど、これで30年以上生きてきた。急に態度も口調も変えられない。。
 
 
「たくさん歩いて疲れちゃった・・・それじゃまたね、ありがとう♪」
 
その公園で解散した。小さく手を振って、小さな歩幅で駅に向かう母の背中。
あんなに大きかったはずの母がいつのまにかこんなにか弱く小さくなっていたなんて。
 

時間がない!! 

どうしよう。。胸が苦しい。。
さっきの梅干しの話がずっと引っかかっている。
そう。当たり前のこと。母との時間は永遠ではないんだ。
いつか終わりが来たときにこのままで私は後悔しないだろうか。
母を失ったとき、もっと喜ばせてあげられることいくつもあっただろうにと悔やまないだろうか。
 
きっともうそんなに時間がない。
 
母が一番喜ぶことって・・・
 
それはきっと私の幸せ。
まずは結婚。
そして孫。
それには相手。
 
時間がない・・・!!
 
 
結婚は、自分のためだけではなく、親を安心させるためのものでもあるのだということに、30ももう半ばになって初めて気づいたのです。
 
これが本気で婚活を始めようと思ったきっかけと理由でした。

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