甲状腺クリーゼとは?症状や原因など、コウノドリ第6話のテーマ

コウノドリ第6話もまた涙、涙、の内容でした。甲状腺クリーゼの症状により、死戦期帝王切開の措置をするも生まれたばかりの赤ちゃんを残して命を落とすお母さん、あんな悲しいこともあり得るんですね。。甲状腺の病気のことはなんとなく知っていましたが、甲状腺クリーゼとはいったい何なのでしょう?ちょっと勉強してみたいと思います。

その前に死戦期帝王切開って

死戦期帝王切開とは、心停止に陥った妊婦に対して、母体蘇生処置の一つとして実施する緊急帝王切開術で、胎児を娩出することにより子宮を小さくして下大静脈と大動脈の圧迫を解除し、母体の血行動態を改善することが目的、なのだそう。

てっきり、「お母さんはもうあきらめて赤ちゃんだけでも救おう!」という措置なのかと思ってそういう涙でこの時観ていましたが、まだこの時はお母さんも助けようとするための蘇生処置だったのですね!

甲状腺クリーゼとは 

甲状腺クリーゼとは、甲状腺機能亢進症(こうじょうせんきのうこうしんしょう)の症状がありながらなにも治療をしていなかったり、治療が不十分の患者さんに1~2%の確率で起こる疾患です。 
 
心拍や血圧や体温が危険レベルまでに上昇し、うっ血性心不全につながったり、肺水腫を引き起こすこともあり、迅速に治療が施されなかった場合の死亡率は75%とも言われる緊急治療が必要とされる症状です。
 
症状は甲状腺機能亢進症のものに似ていますが、甲状腺クリーゼは突然発生し、また重度で極度のものです。
 
具体的な症状としては下記のようなものが挙げられます。
 
〇140回/分超の心拍と心房細動
〇動機、息切れ
〇高熱、発汗
〇震え、動揺、混乱
〇落ち着きがない
〇下痢
〇意識喪失
 
甲状腺機能亢進症を持つ家族にこのような症状が見られたら一刻を争う事態ですので迷わず救急車を呼びましょう。
 

甲状腺とは

そもそも甲状腺とは、首の下の部分の中心にある小さな臓器で、細胞の新陳代謝をコントロールするトリヨードチロニン(トリヨードサイロニン)とチロキシン(サイロキシンというふたつのホルモンが分泌される分泌腺のことをいいます。
 

甲状腺機能亢進症とは

甲状腺機能亢進症とは、甲状腺内組織の活動が異常に活発になることにより、これらのホルモンを過剰に分泌してしまう症状をいいます。それにより細胞の働きもとても速くなり、具体的な症状としては、
 
〇心拍上昇、頻脈、動機、息切れ、不整脈
〇食欲増進するが体重減少
〇排便の回数が多い
〇冬でも暑くて汗が止まらない
〇高血糖
〇常にイライラ
〇震え、舞踏運動(体が勝手に動いてしまう)
〇嘔吐、下痢
〇骨粗鬆症
 
などが見られます。
 
甲状腺ホルモンが体のほとんどの組織に影響するホルモンであるだけに症状は幅広く自己判断は難しいかもしれませんので症状に思い当たる点があれば血液検査を受けてみたほうがいいかもしれません。
 

診断・治療

血液検査で甲状腺ホルモンの値により甲状腺機能亢進症や甲状腺クリーゼが診断されますが、突然の発症で甲状腺クリーゼが疑われた場合は緊急措置が必要なため血液検査の結果を待たずに治療が開始されます。
 
甲状腺でのホルモン分泌を抑えるために、プロピルチオウラシル(PTU)やメチマゾール(タパゾール)などの抗甲状腺薬が投与されます。
 

甲状腺機能亢進症の場合は、甲状腺を破壊する放射性ヨウ素や、甲状腺の機能を一時的に抑制する薬剤でまずは治療を開始し、のちに手術などの外科的治療を行うことが多いそうですが、もし患者が妊娠中である場合は、放射性ヨウ素は胎児への影響の可能性が考えられるため、最初から手術により切除する措置が取られます。

これらの治療を受けたり甲状腺を切除してしまうと当然甲状腺が機能しなくなるため、甲状腺ホルモン剤を服用し必要なホルモンを補充する必要があります。

涙、涙のコウノドリ第6話

コウノドリ第6話で描かれた甲状腺クリーゼで命を落とした妊婦さんは、もしかしたらご自身でも甲状腺機能亢進症に気づかれていなかったのかもしれませんね。入院先の院長先生も認識されていなかったようですので、完全に未治療だったのでしょう。
 
手の震えや動機などの自覚症状が出ていたようですが、張り止めの点滴をしていたがためにその薬の副作用と、本人も病院側も甲状腺をあまり深刻に疑わなかったのですね。松岡茉優さん演じる下屋先生がちらっとでも疑問に持てたのに、あのような事態になる前に対処できたかもしれないのに、という点が悔やまれます。。
 
妊娠初期の妊婦全員をスクリーニングしたら防げるのでは?という平山祐介さん演じる救命の加瀬先生の提案に、コスト面からしても現実的ではないとサクラ先生言われていましたが、うろ覚えですがわたしは妊婦健診の血液検査の中で甲状腺の検査もあったような気がします。血液検査は結構な出費なので何度か目のときにこんなに何度も(といっても妊娠中に2~3回くらいだったとは思いますが)検査しなくてはいけないのかなぁなんて思ってしまっていましたが、想定されるリスクを防いでくれていたのかもしれません。
 
さて来週の第7話は吉田羊さん演じる小松さんの子宮全摘の話題がテーマとなるようです。またまた目が離せません!

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