体外受精の着床率を上げるための手術的アプローチ!何度やっても着床しない人はもしや?

加藤レディスクリニック(KLC)へ1年ぶり8回目の体外受精を挑みに来てポリープ再発が発覚、KLCの顧問であり現Natural ART Clinic日本橋院長の長田先生に子宮鏡下内膜ポリープ摘出術という手術をしていただくことになりました。たまたま当日KLCにいらしていた長田先生から直接手術の説明を受けますが、非常に興味深い資料をいただきました。

体外受精の成功率が低いのは卵管や子宮の問題が見逃されている可能性がある 

手術の説明の際に最初に渡されたのは長田先生の名前で発表された不妊治療情報誌 FUJI Infertility & Menopause News 2013.8 Vol.16 「体外受精の成績向上に必要な手術的アプローチ」という記事のコピーでした。

 
内容の抜粋は前回の記事に書きましたが、とても興味深かったのは、
 
「体外受精の成功率がいまだ低い理由として、高齢化に伴う卵子の老化や高い染色体異常率のほかに、卵管や子宮の問題
を原因とする妊卵(受精卵のことかと)の着床や発育障害が見逃されている可能性があるものと思われる。」
 
という箇所です。
 
わたしがこのブログの中のいくつかの記事で何度か訴えてきたのはここのポイントです。わたしの不妊の原因は常に卵子の老化や、それによる染色体異常とされてきましたが、わたしの実績として受精率はおよそ90%、胚盤胞までの成長率も80%程度ととても高いにも関わらず一度も着床しないことから、卵子の問題というよりも子宮側の問題があるのではないかと常々思っていたのです。
 
でもこの間、子宮内膜ポリープが見つかるまでの間、子宮側の問題に特化した指導や指摘などがあるわけでもなく、新しい周期にまた同じ方法での体外受精を受けることを繰り返していたのですが、長田先生の記事はここを指摘されています。
 
わたしのように卵子は受精してくれるのにとにかく着床しない、という方がいらしたら、そのまま同じ方法で体外受精を繰り返して時間とお金を余計に使ってしまう前に一旦下記原因がないか疑ってみるのも近道につながるかもしれません。
 

卵管に問題がある場合の手術的対応

卵管水腫

体外受精の成績に影響する卵管側の問題としての代表は「卵管水腫」。
 
卵管水腫とは、クラミジア感染や卵巣嚢腫、子宮筋腫摘出術後の子宮内膜症による癒着などの原因により卵管が閉塞してしまい、卵管内の卵管液がたまってしまう状態のこと。そのたまってしまった貯留液が子宮内に流入し、子宮内環境を侵すことによって受精卵の着床に障害をもたらす原因となるものだそう。
 
卵管水腫に気づかず体外受精を繰り返して着床しないという結果を何度も受けている可能性があるらしいです。わたしが最初に受けた卵管造影検査はこの卵管水腫がないかどうかを調べる上でも有効だったと言えるようです。
 

卵管水腫の診断

子宮卵管造影法、超音波検査、MRI検査、子宮卵管エコー検査などで診断されるそうですが、最後の子宮卵管エコー検査は診断根拠である小さな気泡の流入の追跡が難しく見逃すこともあると書かれており、検査を受けるなら上記順位の方法が良いようです。
 

卵管水腫への措置

卵管水腫の程度によりそれぞれの対応が変わってくるそうで、その程度の見極めは、卵管水腫の大きさや、おりものの有無・状態などによって判断されるそう。おりものが多く、かつ長く続いていると重症と判断され、子宮内環境の悪化に大きく影響している可能性が高いとのこと。

程度の軽い卵管水腫
卵管内の貯留液も少なくおりものもないため、子宮内環境への悪影響も少ないと考えられるため、体外受精の移植をまず普通に1~2回やってみるそう。3回以上は期待できないので次のステップに移行。
次のステップが必要とされる卵管水腫
体外受精の移植前日か当日に卵管内貯留液を吸引してから胚盤胞移植を行う。
この方法での移植も1~2回試してみて、結果が出なかった場合はさらに次のステップに移行。
さらに次のステップ、または重症の卵管水腫の場合
腹腔鏡下卵管形成術(開口術)で卵管水腫の箇所の卵管を開いて卵管貯留液の除去と子宮内への流入を阻止を行ってから移植を行う。
 
それでも状況が改善されない場合や術後の状態が良くない場合、または卵管水腫の程度が重症の場合は、卵管の凝固切断(卵管の切除ではない)か卵管クリッピングという方法で卵管貯留液が子宮内に流れ込まないように措置をしてから胚移植を行う。
 
卵管開口術後、卵管周囲の癒着などがなく卵管粘膜の状態も良好な場合は卵管水腫の再発もほとんどなく予後も心配ないようですが、実績から見ると自然妊娠での妊娠率向上にはつながっていないようで体外受精などの対応が必要のようです。
 
ちなみに上記卵管内貯留液の吸引措置後の胚移植と、腹腔鏡下卵管形成術(開口術)後の胚移植とで妊娠率を比較した場合では、後者の腹腔鏡下卵管形成術(開口術)を受けた後のほうが妊娠率が高かったそうです。手術は大がかりですが、結果は早いということのようです。
 

子宮側に問題がある場合の手術的対応

体外受精結果に影響する子宮側の問題としては、子宮筋腫(粘膜下筋腫)、子宮腺筋症、子宮内膜ポリープなどがある。

子宮筋腫、子宮腺筋症に対する措置

受精卵の着床障害、発育障害の原因となるため、子宮鏡下筋腫摘出術を行ってから移植する。

子宮内膜ポリープ、子宮内腔癒着に対する措置

受精卵の着床障害になることからポリープ切除術や癒着剥離術を行ってから移植する。

卵巣嚢腫に対する措置

手術が必要な場合は、術後の卵巣機能の低下を避けるため卵巣組織保護のための繊細な手術が必要で、念のため先に採卵をしておくことが望ましいと書かれています。

多嚢胞性卵巣に対する措置

卵巣ドリリング法という、卵巣の表面を焼灼して小さな穴をぽつぽつあける手術が有効な治療法ではありますが、手術の効果はおよそ1年半ほどでなくなってしまうことと、手術により卵巣機能の低下を招く危険性もあるため確実な鑑別のもとに行うことが必要とされています。

何度も体外受精の移植を受けても結果が出ない時は

わたしはKLCの採卵の時の高性能な超音波装置でポリープが発見されましたが、それもたまたま目について発見してもらえたという感じで、もしかしたら運が悪ければその回でも見逃されていた可能性もあるし、ポリープができてすぐに発見されたわけでもないかもしれないとも感じます。
 
つまり不妊の原因として積極的に子宮側の問題を追及される体制がまだあまり整っていない、そういう意識があまりされていないように感じるのです。
 
何度も体外受精の移植を繰り返している中で受精はするのに、などと卵子側にあまり問題がないと考えられ、とにかく着床しないなどの場合はわたしのように子宮側、もしくは卵管に問題がある可能性があります。その場合は移植を繰り返す前に子宮側、卵管側の問題を解決してから移植に臨まないと、無駄に時間とお金を使ってしまうことになります。
 
体外受精の失敗は時間とお金以外に精神的にもかなりのダメージを受けますので、できる限り少ない回数で結果を出せるに越したことはないので、ただただ同じことを繰り返して疑問を持たれている方はこれらの問題がないか、ちょっと疑ってみてもいいかもしれません。
 
わたしは4年の年月をかけて9回の体外受精、8回目の移植で妊娠することができましたが、上記知識があればもう少し前に妊娠できていたと思えてなりません。これを読んでくださった方で同じような状況の方に少しでも参考になればうれしいです!

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