【心室中隔欠損症】新生児の心疾患!高橋メアリージュンがコウノドリ第1話で好演!

待望の「コウノドリ」始まりましたね~!前作の時はまさに妊娠中だったので不安いっぱいな気持ちの中ひとつでも勉強になればと思い観ていましたが、今回の第1話を観ていて自分がドラマに出てくる専門用語がほとんど理解できたことに驚きました。今回は【心室中隔欠損症】という胎児や新生児に見つかる心疾患について書いてみようと思います。

【心室中隔欠損症】とは?発生率は?

心臓は右心房、左心房、右心室、左心室と4つの部屋にわかれていて、血液の流れとしては、体内を巡って老廃物などを取り込み炭酸ガスを多く含んだ静脈血が右心房から右心室へ流れ、右心室から肺へ、その肺を経由するときに炭酸ガスが酸素に換えられ、酸素を多く含んだ動脈血として左心房、左心室と流れて全身へと送り出されます。
 

その右心室と左心室の間にある心室中隔という壁に穴があいてしまっている状態を【心室中隔欠損症】と言い、新生児に最も多い心疾患です。

ネットの情報では1000人に3人の確率と書かれている記事が多いですが、ドラマの中では100人に1人と言っていましたね、ドラマとはいえこういった題材の番組ですからあまり間違った情報は使われないと思いますがもしかしたら最近のデータでは発生率があがったのでしょうか。
 

いつ発見される?原因は? 

コウノドリのドラマの中では妊娠中のエコー検査で星野源さん演じる四宮先生が発見していたように、妊娠中にわかる場合もあれば出生後の検査で心音に雑音が混じることで指摘されたり、1ヶ月健診や1歳児健診などで体重増加不良などの指摘から発覚する場合もあります。
 
高齢妊娠・高齢出産だと赤ちゃんにも異常をきたすリスクが多いとされ、そのリスクの中には赤ちゃんの心疾患についての記載もたびたび目にしましたので心疾患と聞くと高齢だから?と真っ先に思ってしまいますが、この病気は母親の年齢とは関係ないようです。ドラマの中でも高橋メアリージュン演じる若いママさんでしたし、あとわたしの友人も25歳で産んだお子さんがこの病気の診断を受けました。
 
原因としては、穴が空いてしまった、ということではなく、胎児が母親のお腹の中で成長していく上でうまくふさがりきれなかったということだそうです。
 
胎児の心臓が大きく成長するのは妊娠初期で、心臓の内部で上下左右から膜がのびてきて4つの部屋が形成されるのですが、その際にうまくふさがりきらない場合があり、それが心室中隔という壁に起こってしまった症状を【心室中隔欠損症】と呼びます。これは一定の頻度で発生しており、妊娠中の生活環境や遺伝との関係などは医学的にも認められていません。よってこの病名の診断を自分の赤ちゃんに受けてもご自分を責めたりする必要はありません。
 

症状は?

穴が小さい場合は症状はほとんどなく、上記の通り体重増加不良などで発覚する場合もあるほどですが、中~大のある程度大きな穴の場合は、乳児の時点で、ミルクの飲みが悪い、息切れをしている、大量に汗をかいておしっこの出が少ないなどの症状がみられるそうです。
 
そのような症状がみられた場合は入院して保育器で栄養補給と利尿剤の点滴を受けます。退院後も利尿剤や強心剤などを服用する場合もあります。授乳量を調整して心臓への負担を考慮したり、肺への負担も大きいので肺炎や気管支炎への注意や、静脈血が左心房左心室にも混ざりこんでくるため細菌性心内膜炎などにも注意が必要です。
 

治療や対応など

誰でも心臓に穴と聞けば重い病気なのではとびっくりしてしまうと思いますが、穴が小さい場合はなにもしないまま経過観察でいつの間にか成長とともに穴が閉じる場合も少なくなく、たとえ穴が大きくても手術をすれば治る病気で、手術の成功率も最近では95%と高く、それほどおそれる病気ではありません。
 
わたしのその友人のお子さんは、穴は小さかったのですがなかなかふさがらず、長い事ずっと経過観察を続けていて、ようやく中学生の頃に穴がふさがったことが確認できたそうです。症状も特になく、運動制限もなかったため体育の授業も普通に受けていたそう。小さい穴だと1歳くらいまでには閉じるという記載もありますが、こんなに長くかかって無事何事もなく閉じる例もあるようですのであまり心配しすぎず、定期的に経過観察していきましょう。
 
聴診で異常が疑われたあとの正確な検査は、レントゲン、エコー検査、心電図などで、それらの検査で穴の大きさや症状の程度を詳しく特定することができます。穴が大きく手術が必要とされた場合も手術を受けるのはある程度成長した2歳から6歳くらいまでの小学校に上がる前くらいの時期です。それまでは医師の指示に従い経過観察となります。
 
心臓の手術となると大がかりに感じてしまいますが手術の内容は、穴の大きさに合わせたパッチを貼り付けてふさぐという内容のもので成功率も95%とそれほど難しい手術ではありません。費用も自治体から小児医療費については助成がありますので、自己負担額はわずか、助成対象にならないベッド代やミルク代、消耗品代などのみです。
 
うちの子供は生後2か月の時に肥厚性幽門狭窄症という病気の発覚で手術を受け10日間入院したのですが、請求書は78万円でしたが助成の対象でほとんどが差し引かれ、お支払したのは数千円でした、そんなイメージかなと。
 
予後の心配もほとんどなく、術後特別な制限もなく通常生活が送れるとのこと、心臓とはいえ今の医学では手術もそれほど深刻な病気ではないようです。過度に心配せず医師の指示に従いましょう。
 

高橋メアリージュンの演技力

最後にちょっと雑談を。コウノドリの第1話で胎児に【心室中隔欠損症】の診断を受けるキャリアウーマン役を演じた高橋メアリージュンさん。いままではちょっと異国の血が混じったモデルさん、くらいにしか思っていなかったのですが彼女の演技力に驚いてしまいました。
 
ちょっとお芝居のお仕事に興味があったことがあり、ドラマなどを観ている時つい出ている俳優さんの演技力に目が行ってしまうのですが、高橋メアリージュンさん、久々興奮しました。
 
出産直前まで仕事をしていて考えが仕事第一になってしまっていたところからの出産で心境も環境も大きく変わっていくことについていききれない様子、マタハラとも取れそうな後輩の対応に対する気持ち、仕事の様にはうまくこなせない育児、出産後のあの精神的に不安定な複雑な心境が見事に伝わってきました。あの不安な表情と涙、それは演技なの?と思えるほど引き込まれました。ベッドで赤ちゃんと添い寝しながらのシーン、可愛い赤ちゃんを愛でる目と、嬉しいはずの妊娠出産が不安ばっかりになってしまっていること、それが赤ちゃんに対して申し訳ないという気持ちも受け取れました。
 
わたしも入院中ずっと授乳がうまくいかず、自分で泣き止ませることもできず、このまま明日から助産師さんたちの助けがなくなることが怖くて怖くてあの高橋メアリージュンさんが四宮先生に「怖いです!明日からこの子とふたりきりで過ごせるのかどうか」と訴えた気持ちが本当によくわかります。結局わたしは入院を延ばしたり、退院後もいろんな人に助けてもらってひとりで乗り切ったわけではないのですが、もし誰の助けもなくあのまま家に帰されて子供とふたりきりの生活になっていたら、あの最後のシーン、泣いている赤ちゃんに駆け寄ることもできず部屋で座り込んでいる彼女と同じ状況になってしまっていたと思うと涙が止まりませんでした。
 
今後、彼女の育児の問題にも焦点が当たっていくのでしょうか、高橋メアリージュンさんの演技力と今後の展開に期待モリモリです!
 
 

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